。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
玄蛇はホテルの数キロ手前で降りていった。
「私があのホテルに近づくのは危険だからね。あとは君に任せたよ」
「雨降ってるわよ?」
「君が私の心配かい?大丈夫さ。今は雨に打たれたい気分なんだ」
「洪水になってそのまま流されればいいのに」
と言うと、玄蛇は「面白いジョークだね♪」と言って夜の街に消えていった。
ホントに…あいつ何しにきたんだろう。
それに
『任せた』
なんて言われても、大丈夫なのかしら。
あたしは響輔の行動なんて予測できないし、ただのカタギの女だ。
響輔があたしを襲ってくる可能性は少ないと思うけれど、あいつがもしそうゆう行動に出れば、あたしはきっと太刀打ちできない。
そんなことを考えながら、あたしは警戒しながらも部屋に辿り着いた。
玄蛇は響輔がこのホテルに来たって言ったけれど、響輔はあたしが部屋に辿り着くまで現れなかった。
まさか部屋に潜んでる?
と一瞬心配に思ったけれど、その可能性は極めて低い。
複製不可能の特殊なカードキーをスキャンしなければ、部屋に入ることはできないのだ。
玄蛇もカードキーを見て、さすがのあいつもこれがないと侵入するのは無理だと判断してた。
まぁ響輔はいつもあたしの予想を裏切る行動に出るからわかんないけど。
警戒した面持ちで、カードをスキャンして扉を開けると、
重圧的なこげ茶の扉に黒い影が映った。
ぎくりとして振り向くと、
あたしのすぐ背後に響輔が立っていた。
いつの間に―――…!!どこに潜んでいたの!?
「……!」
声を出す暇もなく、後ろからその手で口を塞がれ、ひたすらに目を開いているあたしを、響輔が体を抱きすくめるように引き寄せて、
あたしは声も出すこともできず
部屋の内側に引きずられた。