。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
カチリ…
オートロックが締まる音だけが静かな部屋に響いて、それを確認したあと響輔は無言で部屋の灯りを燈した。
「手荒な真似してごめん」
挨拶もなしに開口一番素直に謝ってくる響輔。
何を仕掛けてくるか分からず警戒していたわけだから、何だか拍子抜けだ。
でも油断大敵。
あたしは、こいつが何の目的でここに来たのか分からず、警戒を露にしながら後ずさった。
何かあったときすぐ逃げ出せるように扉に背中を寄せる。
「何の用?またあたしから情報を盗み出そうと?」
目を吊り上げて響輔を睨むと、
「ちゃう」
と響輔は無表情のまま小さく呟いた。
「じゃあ何なのよ。協力者のこと聞きにきたのなら残念ね。あたしは吐かないわよ」
「そうやないて」
響輔はちょっと困ったように吐息をつく。
「じゃあ何なのよ。あ、こないだのことだったら忘れて?いっときの戯言だから。
あたしはあんたをもう好きじゃない。
あたしの条件飲みにきたって言うのなら、その件はもう無効よ」
怒りだしたいのを堪えて、声が震えそうになるのを押さえて、あたしは何とか答えた。
響輔が何を考えてるのか探りたくて、響輔の顔から視線を逸らさずまっすぐみ見据えたけどこいつから何かの感情を読み取ることは
できなかった。
響輔は相変わらずの無表情で、
「ちゃうて。
あんたにこないだの件、謝りにきただけや」
と答えた。