。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
理性―――………
「しばらくご無沙汰やったし。大概の男は好きでもない女とでもやれるんやよ?」
と響輔はブツブツ。
「闘うことしなくてもいいじゃない。あっさり白旗あげちゃえば?」
響輔の肩の上に頭を乗せると、あたしは響輔のくっきりときれいな鎖骨を指でなぞった。
「白旗―――……
上げそうになるから、触るのやめぇ。
ここで理性に負けたら、俺はほんまにどうしようもない男や」
響輔が顔を逸らすと、首元からあたしの手を遠ざけた。
「何よ~強情な男ね。頑固って言うの?…いいじゃない。一晩だけの思い出よ」
あたしは響輔の耳元で囁くと、こいつの骨盤にそっと手を這わせた。
さっきも思ったけど、ジーンズのベルトからくっくりときれいな骨盤が浮き出ていて、そこがまた色っぽい。
「頑固で結構や。ってかどこに手ぇ入れてんの!」
響輔がまたもガバッと起き上がり、あたしを引き剥がした。
ちっ。
あたしは響輔のジーンズのベルトから差し込もうとしていた手を引っ込めた。
「もぉ、大人しい寝てくれ。寝不足はお肌の大敵やで」
あたしに布団を被せて響輔は機嫌悪そうに自分も横になった。
それでも逃げていこうとしない響輔に、あたしもほっとして、今度はちょっかい掛けるつもりもなくあたしは響輔の首に巻き付いて目を閉じた。
「響輔」
しんと鎮まり返った部屋で、あたしはぽつりとこいつの名前を呼んだ。
「今度は何や」
響輔が短く返事をかえしてくる。
「好き」
小さく告白すると、
「……おおきに」
とだけ、返してくれた。