。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「戒さん、ここを突き止めるの意外に遅かったですね」
『お・前・が!!行き先告げていかんかったからこうなったんやろ!』
またも怒鳴り声を聞いて、あたしは再び指で耳栓をした。
でも響輔は慣れているようで、
「戒さんな、怒りっぽい人なんや。カルシウム足りてないんとちゃう?」とあたしにマイペースに話しかけてくる。
「一結んとこ行く言うたら戒さん、絶対止めるやろ?」
『そうやけど…!だけど勝手なことすんな!!』
響輔は虎間 戒の怒りもスルーして、
「ってかよぅ分かりましたね、ここが。遅かったケド」
『一言余分や。でもまぁ、お前のベルトのバックルにしこんだ発信機のお陰やな』
ベルトのバックル…!?
玄蛇もそこまでは見抜けなかったのだろう。まさかそんなところに発信機をしこませていたなんて。
『ケータイのGPSはあてにならへんからな。電源切られたらアウトや。
後はお前が残した謎のメッセージ“DS返して”や。俺、お前にDSなんて借りてないし、
だから何かの暗号や思うて、発信機の場所を特定したらここのホテルやったからな。
DSと名前の付く部屋はそこだけだったんや。DS(デラックス)スイート
お前と連絡が途絶えたとき、そこ探せ言う意味やったんやろ』
「俺は大丈夫です。心配かけてすんません。明日の朝には帰るさかい、心配せんといてください」
『おいっ!響輔っ…』
響輔は何か言っている虎間 戒の通話を無理やり切って、
「な?男やったろ?」
と言い、受話器を戻した。
男には代わり無いけど―――……
「あんた、そんなとこに発信機隠してたの?」
あたしの眉間に皺が寄るのが分かった。
「ベルトやし、よっぽどのことがない限り取ることないやろ?あんたが服脱げ言い出したときはさすがに焦ったけど」
焦った……ねぇ…
「全然焦ってなかったじゃない!このマイペース男!!ちょっとは焦りなさいよ!!」