。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



「とりあえず寝よ。怒りっぽいのはお肌に良くないで」


響輔はあたしを宥めるように腕を引いて隣に寝かしつけた。


「……別に…怒ってないわよ……あたしはただ、びっくりしただけで…」


口の中でぶつぶつ呟いていると、



ギシッ


響輔がベッドに手を付いて身を起こした。


あたしの上に覆いかぶさるように顔を近づけると、




「相手は日本一の殺し屋と通じてる女や?こっちだって油断するわけにはいかんからな」




と、にやりと笑った。


あたしのすぐ至近距離にある響輔の顔に、あたしの心臓がドキリと鳴った。


何よ……あたしのこと100%信用してないの??


……って、できるわけないか。


それでも武器も持たず丸腰で来たわけだから、本当にあたしを傷つけるつもりはなかったんだ―――


―――あたしはちょっと頭を上げると、響輔の頬にキスをした。


「不意打ちや…」


響輔が目を開いて僅かに顔を後ろに逸らせる。


「唇を逸らしてやったわ。感謝しなさいよ」


とわざと明るく言ってやると、響輔はちょっと戸惑ったように首の後ろに手を置いて、あたしを見下ろした。





「今日はあんたに謝りにきたんもそうやけど、



あんたが手を組んでる男、“玄蛇”に気ぃつけぇって言いに来た――




あんたが思うほど、あいつは易しいヤツやないで。



ヤツは目的の為なら手段を選ばない冷酷で、惨忍なヤツや。



あんたの手に負える男やない。



それを言いにきたんや。





あんたも、気ぃつけえ」






響輔はあたしを覗き込むと、いつになく真剣な顔で呟いた。






< 431 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop