。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「とりあえず寝よ。怒りっぽいのはお肌に良くないで」
響輔はあたしを宥めるように腕を引いて隣に寝かしつけた。
「……別に…怒ってないわよ……あたしはただ、びっくりしただけで…」
口の中でぶつぶつ呟いていると、
ギシッ
響輔がベッドに手を付いて身を起こした。
あたしの上に覆いかぶさるように顔を近づけると、
「相手は日本一の殺し屋と通じてる女や?こっちだって油断するわけにはいかんからな」
と、にやりと笑った。
あたしのすぐ至近距離にある響輔の顔に、あたしの心臓がドキリと鳴った。
何よ……あたしのこと100%信用してないの??
……って、できるわけないか。
それでも武器も持たず丸腰で来たわけだから、本当にあたしを傷つけるつもりはなかったんだ―――
―――あたしはちょっと頭を上げると、響輔の頬にキスをした。
「不意打ちや…」
響輔が目を開いて僅かに顔を後ろに逸らせる。
「唇を逸らしてやったわ。感謝しなさいよ」
とわざと明るく言ってやると、響輔はちょっと戸惑ったように首の後ろに手を置いて、あたしを見下ろした。
「今日はあんたに謝りにきたんもそうやけど、
あんたが手を組んでる男、“玄蛇”に気ぃつけぇって言いに来た――
あんたが思うほど、あいつは易しいヤツやないで。
ヤツは目的の為なら手段を選ばない冷酷で、惨忍なヤツや。
あんたの手に負える男やない。
それを言いにきたんや。
あんたも、気ぃつけえ」
響輔はあたしを覗き込むと、いつになく真剣な顔で呟いた。