。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
ドキリ…と胸が鳴る。
今更ながら玄蛇の存在に怖くなったりしない。
あいつはいつもバカなことを言ってるようでへらへらしていても、その中身が180度違うことも知ってる。
「響輔―――……
あいつは、龍崎グループ主催のパーティーで、全員を一気に片付けることを考えてるわ。
その手段はあたしも分からない。
だけどそれまでは、殺さないつもりよ。
こないだの狙撃だってあいつの威嚇にしか過ぎない」
あたしは響輔の首に腕を回すと、響輔のうなじをそっと撫でた。
響輔がくすぐったそうに目を細める。
「あたしはあんたたちの味方じゃない。あたしにしたら、あんただけ手に入ればいいの。
だからこの忠告はあんたにしたわけだよ」
あたしは響輔の首を引き寄せると、響輔は大人しくあたしの上にかぶさった。
「逃げないのね。その気になった?」
わざと挑発的に言ってやると、
「ちゃうよ。ただ、あんた
あったかくてええな、って思うて。
冷たそうに見えるのに」
冷たそう……?
「それは外見がってこと?それとも体温?体温だったらあたしは湯たんぽ代わり?」
外見に関してはよく言われるから慣れてるケド。高飛車そうとか、我儘そうとか…
まぁ当たってるだけに何も反論できないんだけどね。
冷めた目で響輔を睨むと、響輔はほんの少し笑ってあたしの横に体を横たえた。
「あんた見た目で損するタイプやね。
ほんまはあったかいのに。
一結―――…
こないだは、ほんまに……ごめんな」
あたしは微苦笑を浮かべて響輔の首をぎゅっと抱き寄せた。
「怒ってないよ。あたしだってあんたに酷いことしたし。お互いさま」
湯たんぽ代わりでもいいわ。
今はあたしが響輔と体温を共有している―――ただ一人。
響輔の少しひんやりした体を、響輔が風邪を引いちゃわないように
あたしがあっためてあげるの。