。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
響輔が隠したのかしら。
もしかして持ち帰ろうとした?そう思ったけれど響輔は手ぶらだったし、財布なんかの貴重品は全部ジーンズのポケットに入ってる。
さすがに拳銃を隠し持つことは無理そうだ。
いつも思うけど、男って身軽でいいわよね。
こいつが鞄持ち歩いてたこと見たことない(新大阪で会ったときは別として。泊まりっぽかったし)
そうだ!バッグ!!
あたしは慌てて昨日バッグを落とした場所まで移動すると、響輔がくれたテディがくっついてるバッグを拾い上げた。
「ごめんね、こんなところにほったらかしにして」
テディをきゅっと握ると、ほんの少し悲しそうな顔をしていた。(たぶん気のせいだろうけど)
あたしはテディを握ったまま、まだ布団に包まってベッドで眠っている響輔をちらりと見た。
感傷に浸ってる場合じゃない!
い、今のうちにシャワー浴びて、化粧やり直そう!!
ここからは女の戦争よ!
慌ててバスルームに向かうと、着ていたノースリーブのブラウスとデニムのミニスカートを脱いだ。
ストラップレスの淡いブルーの上下セット。繊細なレースが縁取っていて、いかにも清純~ぽい。
あいつ…響輔、こうゆうの好きそうよね。
………
何考えてるのよ、一結!あいつとは(今は)そうならないって決めたでしょ!
ってか響輔に拒まれたのよね…
ズーン…と気落ちして、それでもとにかく今のうちにシャワー!と考えがまさってあたしは慌ててホックに手を伸ばそうとした。
そのふしに何気なく洗面ボウルに目を向けると水が張られたボウルに拳銃が沈んでいることに気付いた。
「……これ」
グリップの先を指でつまみあげ、水の中から拳銃を引き上げると、昨夜持ったときより軽いことに気付く。
首を捻ってまじまじと見つめると、マガジン(弾倉) が抜き取られることにも気付いた。