。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
マガジン以外にも、他のいくつかの部品がなくなっている。
完全にフィールドストリップ(銃の解体)されていた。
はぁ
あたしは盛大なため息を吐いた。
これ、玄蛇に借りたものなのに。
響輔を脅すどころか、あいつにほだされて(?)丸めこまれた感じだし。
本人そのつもりもないだろうけど。
あたしは空になった拳銃を握ったまま、まだすやすやと心地よさそうに寝息を立てて響輔が眠っているベッドに足を運んだ。
ベッドの端に腰掛けて、響輔の寝顔を覗き込む。
無邪気な…まるで何も知らないあどけない少年のような寝顔をしてるくせに、
やることしたたかだわよね。
きっとあたしが眠ってる間に抜け出して、解体したに違いない。
それでもここを離れることはなかった。
あたしの隣に居てくれた―――
ギシッ
あたしが響輔の顔の傍で手をついて、布団をちょっとめくった。
肩から背中に広がる雄々しくも美しい鷹の彫り物にそっと手を伸ばす。
服着てたら……ってか普通にしてたら誰もが絶対に、こいつがこんな立派な刺青背中に背負ってるなんて思わないだろう。
だけどこいつは間違いなくヤクザで……
本当は、きっと怖いんだろうな。
その羽の輪郭をそっと指でなぞると、その感触にか、それともスプリングの軋む音に気付いたのか、響輔がうっすらと目を開けた。
「おはよう」
そう覗き込むと、響輔は眠そうに目をまばたき、やがてせわしなくまばたきをするとぱっと目を開いた。