。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

第二ラウンド!?




◆ 第二ラウンド!? ◆


―――


その日、一晩


とうとうキョウスケは帰ってこなかった。


誰か帰ってきても、深夜だったら玄関の開閉の音がすれば目が覚めるし、気付かなかったってことはない。


キョウスケに電話を掛けてみたけど繋がらなかった。虚しいコール音だけが鳴り響き、やがては留守電にいっちゃった。


その事実が益々不安で、戒にそれとなく相談したが、


「大丈夫だって、子供じゃあるめぇし」と言って笑ってたから、


あいつが言うんなら大丈夫なんだろう。


あたしが心配性なのか?



―――そうして夜は更け、朝がやってきた。


朝食を作っている最中だった。


「おはよ~」


と眠そうに欠伸を漏らしながら顔を覗かせた戒。


「何だよ、随分早いな!」


あたしは時計を見てびっくり!だってまだ朝の7時前だよ!?


また寝れなかったのかな…やっぱこいつもキョウスケのことが心配で…?と一瞬思ったが、


寝癖のついたふわふわの髪を搔きながら、


「寝汗かいた~。部屋のエアコン壊れたかも。暑くて目が覚めた」といつも通り平和な戒。


あっそ。


「水飲んだらシャワー浴びてくる」と言ってあたしに背中を向けて冷蔵庫を漁ってる姿もいつも通り。


ほんとだ…汗かいて白いTシャツの向こう側がうっすらと肌が透けてる。


きれいな筋肉のしなやかな背中がエロい。


…なんて、ドキッとしてる場合じゃねぇっつの!


ってか!紋!!ちょっとホワイトタイガーが透けてるっての!


「か、戒!」


言いかけたときだった。


「おはようごぜぇます」


寝起きの顔でタクが顔を出して、あたしは目を開いた。






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