君へ、約束の歌を。<実話元>
名前を確認すると、それは中学2年の時に同じクラスだった女の子からで。
卒業して以来、初めての連絡。
場所が微妙だから一瞬出るか迷ったけど。
脇道に自転車を止めて、通話ボタンを押した。
『もしもし?』
「愛璃ちゃん?久しぶり!」
『久しぶり〜!どうしたの?
電話なんて珍しくない?』
「電話の方が早いかなって。
別にメールでもいい話なんだけどね〜」
…夏休みか冬休みに、2年の時のクラスでクラス会やらない?
ケータイの向こうから聞こえたその言葉にびっくりしたけど、今中学校を見ていたばっかりだからか、懐かしい気持ちが先に立った。
『おもしろそーだね!いいんじゃない?』
「でしょ〜?
幹事やるから任せといて!」
『任せた〜♪
あっそれって先生も誘うの?』
「……」
『ん…?もしもーし!聞こえてるっ?』
…何気なく私の口から出た言葉に、
相手の声が聞こえなくなった。