君へ、約束の歌を。<実話元>


一瞬の間があって、次に私の耳に届いて来た電波は、信じられない言葉を乗せていた。



「…愛璃ちゃん、先生が今きつい状態って噂知ってる?」


『…えっ!どういうこと?!』



初耳だった。


実は、2年の時の私の担任は宮田先生。


宮田先生は新任の任期を終えて、ちょうど私達の卒業と同時に他の中学校へ移った。


だから卒業してからの宮田先生の話は、
全然聞いたことがなくて。



『噂って何??』



なんだか胸騒ぎがした。



「うん…実はね…
確実な話じゃないんだけど…」



…それは、信じたくない話。


宮田先生が転任した学校では、毎日のように宮田先生宛てに批判の電話が来るらしい。


…ネットか何かで情報が出回ってるのか、宮田先生は担任だったのにいじめに気付かず祐ちゃんを救えなかった、辞めろ!っていうような内容の声が押しかけてるんだって…



『嘘…!ひどい!』


「ひどい話だよね〜…本当のことだとしたら」



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