君へ、約束の歌を。<実話元>


でも、場所を聞けないからって理由はたてまえで、本当はまだ私の気持ちの整理がしっかりできてないからだと思う。



行けない分、家でこうして冥福を祈る。


「Dedicated to you」はいつもと変わらず、胸に染み込んでいって。


祐ちゃんにも届くといいなって思った。



『〜♪〜…♪〜…』



そっと、口ずさんでみる。


最初の頃は聞くだけで精一杯だったけど、何回も何回も聞くうちに口ずさめるようになった。


この歌に出会えてよかったって、
心から思うから。


やっぱりこの曲が、一番好き。


私の中では、一番だよ。




ゆい、

この曲に出会わせてくれて、

ありがとね。










…その日の夜、夢をみた。



なぜかわたしは中学校の廊下に立ってて。


窓辺に近寄ると、遠い空を見上げてた。


外は晴れてて日の光が眩しい。


光や風がすごくリアルで、
不思議と夢だって感覚がなかった。



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