君へ、約束の歌を。<実話元>
ヒドイ言い方だけど、
泣かなくてもよくない?
結果はよかったんだし、って。
でも、違うんだよね。
祐ちゃんは一生懸命だからなんだ。
…私と違って。
祐ちゃんは、本当にいつもいつも真剣に自分の種目に取り組んでる。
普通のメニューの時には、一緒にちょっとサボったりすることもあるけど。
種目別メニューの時には、誰よりも遅くまで練習してることもあった。
1位ばっかりだったから、
1位とるのが当たり前…
みたいになっていたけど、そうじゃないよね。
そんな当たり前の形なんて、どこにもなかったんだ。
それは、自分で築き上げてきた結果の証。
私は体を起こして、下に見える高跳びのフィールドを、じっと見つめた。
今は、男子の走り高跳びが行われている。
…私は今まで、
部活の日々を事務的に送ってきた。
授業終わったら部活に行って、
土日とかには大会に出て…って流れを。
生活の一部に部活が入ってて、楽しいって思う気持ちもあるけど、ただ「こなして」いってただけ。
高く跳びたいし勝ちたいけど、県大会に行きたいとか全国目指すとか、具体的な目標は特に考えていなかった。