アゲハ~約束~
「・・・」
――――こんなとき。
そんなことをしなくても彼は傍にいるとか。
千だか万だかの風になって見守ってるとか。
そんなことを言える人間のほうが、彼女にとっては優しいのだろうか。
彼女の、傷ついたような瞳を見ながら、幸人は、心の中で苦虫を噛み潰す。
けれど、自分にはそんなことはいえないから。
せめて、自分が知っている真実を彼女に告げて、納得してほしかった。
「消したろうそくの炎はどこへ行く?どこにもないだろう?命だって同じだ、同じなんだよ。消えてしまったら、もうそれで終わりなんだよ。」
「・・・」
「・・・追いかけたって・・・悲しむ人が増えるだけだよ。」
――――こんなとき。
そんなことをしなくても彼は傍にいるとか。
千だか万だかの風になって見守ってるとか。
そんなことを言える人間のほうが、彼女にとっては優しいのだろうか。
彼女の、傷ついたような瞳を見ながら、幸人は、心の中で苦虫を噛み潰す。
けれど、自分にはそんなことはいえないから。
せめて、自分が知っている真実を彼女に告げて、納得してほしかった。
「消したろうそくの炎はどこへ行く?どこにもないだろう?命だって同じだ、同じなんだよ。消えてしまったら、もうそれで終わりなんだよ。」
「・・・」
「・・・追いかけたって・・・悲しむ人が増えるだけだよ。」