《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
霧に包まれた崖下から、今まで感じたコトのない強い妖の力が風に乗って、流れてくる。



「!!!?」


天狐とは比べ物にならない大きな九尾の狐…仙狐が姿を現した。


透き通った姿は幻影に近いけど、妖の力は強大で、私たちを怯えさせる。


このまま私は仙狐に食べられてしまうの?


仙狐が尻尾を振り、竜巻を起こす。


爽爾君は必死に己の力を解放して、私を護るけど、仙狐の力には非力で、歯が立たない。


崖の石や砂利を巻き上げて、更に私と爽爾君の躰を空高く巻き上げた。



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