空の記憶




めるとくんの部屋をノックをした。

めると「はい。」

銀朱「俺。銀朱だよ。入っていい??」

めると「ああ。いいよ。」

俺はめるとくんの部屋に入った。
銀朱「めるとくんごめん。」

めると「いいよ。」

銀朱「めるちゃんから聞いた。俺のせいで……右手が使えなくなったって……」

めると「めるのやつ……別に銀朱のせいじゃないよ。俺はお祖父様がきにいらない子供だったからやられただけだ。銀朱のせいじゃないよ。気にするな。」

銀朱「でもその点滴……手、痛いんでしょ??」

めると「痛くないよ。」

銀朱「嘘だ!!顔色も青いし、体も熱を持ってるじゃないか!!俺のせいだって責めてくれよ……」

めると「俺がお前の……銀朱のせいだって言って何になる??お前が責任を感じるだけだろ。俺は別にこの腕になったことに恨みもなにも感じてない。ただこれだけの代償で家族が守れたのなら……それにこの腕になったからこそ俺は医者になることを諦められた。画家になる決意が出来たんだ。だから気負うな。俺は別にいいから。銀朱は銀朱のしたいように、やりたいようにやったらいいんだよ。俺の願いはそれだけだから。」

銀朱「めるとくん……俺、めるとくんが兄貴でよかった。俺は家族の為に音を刻むよ。」

俺にも目指すべき高みが見つかった。
それがどんなに嬉しかったか、
もう迷ったりなんかしない。

銀朱「そういえばじい様の事嫌い??」

めると「嫌いって言うか……苦手かな……やっぱり目にはいるだけでも体が言うこと効かなくなる。腕は特に……」

銀朱「俺には優しいけどなぁ……やっぱり音楽の道に進んだからかな??」

めると「そうだろうな。それにめるは唯一の女だしな。」
じい様は本当にめるとくんが嫌いだったのだろうか??
嫌いだったら最初から会っていなかっただろう。
むしろ芸術家になることを押し付けもしなかったんじゃないか。
じい様に会ってみよう、そう思った。

銀朱「じい様はめるとくんの事、嫌い??」

じい様「……嫌いではない。ただ……やつはそうではないだろう。私のことが嫌いだろう。」

銀朱「そんなのわかんねぇよ。会ってみないと。」

じい様「会ってはくれんだろう??」

銀朱「めるとくんは基本的に家にいるから会いに来てよ。別に俺に会いに来るって口実でいいからさ!!」

じい様「……ああ。わかった。」
実際じい様がめるとくんに会ってくれるかも分からないし、めるとくんも何て言うか分からない。
だけど、じい様は会いに来たんだ。

銀朱「来てくれたんだ!!」

じい様「銀との約束だったからな。」

銀朱「めるとくんならリビングに居るよ。」

じい様「ああ。」

めると「銀??誰か来たのか……じい様……っお久しぶりです。」
じい様を見た瞬間めるとくんは顔面蒼白で汗もかいていた右手もおさえていてきっと言うこと効かなくなっているんだろう。
じい様はばつの悪そうな顔をしていた。

銀朱「今日じい様が一緒にお昼食べようって!!」

めると「……うん。」

じい様「嫌ならいい。」

銀朱「じい様!!」

めると「……っ……い、嫌じゃ……ないです。」

銀朱「めるとくん??」

めると「嫌じゃないです。」

じい様「無理をしてくれなくてもいい。」

銀朱「めるとくんは無理なんてしてないよ!!ちゃんとじい様の顔見て言ったじゃん!!体が言うこと効かなくなってるのにちゃんと顔を見ていってるじゃん!!それぐらいじい様信じてよ!!」

じい様「……すまなかった。じゃあ食べよう。」

そう言ったじい様はそれでも何か引っ掛かっているようだった。俺は早く二人を仲直りさせたい。それだけなんだ。

じい様「めると、すまなかった……。」
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