便利屋



俺の言葉を聞き、なにか諦めたように奈央が立ち上がった。


「もう…いいよ。私たちは終わってる。」


奈央の言葉を聞いて金髪もニマリとした笑いを浮かべて立ち上がる。


そして双方の親に説明するような口振りで話した。


「彼は、奈央さんの元カレだそうで…。でも奈央さんのおっしゃる通り、もう彼らの関係は終わってるので。」


金髪の話を聞いてほっとしたように奈央の母親が話し出す。


「あら、そうなの。見苦しいものをお見せして申し訳ありません。…ほら、奈央。蓮さんを帰して。」


静かに俺の横まで歩み寄ってきた奈央は、俺を見上げてそっと話しかけてくる。



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