先生とシンデレラ
さっきまでこちらを見ていた三浦くんは、顔を真っ赤にして顔を背けて言った。

「…お、おぉ。3秒に1回の割合でしてた。」

「そ、そんなに…?」

また思わず溜め息が出た私を三浦くんが素早く指摘する。

「ほら、また。」

「あ…」

すると、三浦くんがこちらを見ながら言った。

「…なんか、あった?」

「…え」

「ほらな。絶対なんかあったろ。」

…三浦君には、言えない。

っていうか、誰にも言わない。

私は、必死に三浦くんの鋭い視線に堪えながらも言った。

「う、ううん。な、なんでもないから…」

そうニコッと笑うと。

三浦くんは、また顔を真っ赤にして言った。

「そ、それならいーけど。な、なんか悩んでんなら言えよ?話ぐらいなら、俺も聞いてやるし…」

「ありがとう…」

…いい人だなぁ

解るなぁ…モテる理由…

そんな事を考えていると。

…?

さっきまでうるさかった教室が静まりかえっていて。

私が教卓を見るとさっきまで委員長が頑張ってミスコンの説明をしていた所に先生が立っていた。

先生は教室が静かになったのを確認してから、口を開いた。

「…ミスコンの優勝商品だけど。今年はクラス全員分の1カ月間食堂無料券」

先生がそこまで言うと、クラス全員から、おぉっ、と言う声が響いた。

「まだ、あるけど…」

先生がボソッとそう言うとクラスは再び静かになった。
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