先生とシンデレラ
お昼休み。

私と華ちゃんは、早速ミスコン代表を代わる事を了承してもらう為に社会準備室にいる加藤先生を訪れていた。

「って事で…羅々に代わって私が出る事になりましたー！いいでしょ、先生？」

華ちゃんが満面の笑みで先生に微笑みかける。

…モテる理由分かるなぁ。

それに対し加藤先生はと言うと。

華ちゃんの影に隠れている私を満面の笑み…などではなく。

極限まで眉を寄せた怖い顔で私を見ていた。

「…なんで。」

先生が静かな口調で言った。

「だーかーらー…」

華ちゃんが、やれやれ、と言うように話始めると。

「華。今は華に聞いてないよ。羅々に聞いてるんだよ。」

先生は私から一回も目をそらさずに言った。

「…っ」

「…羅々。答えなよ。華に代わってもらうの。…羅々はそれで、良いの。」

…良いに決まってるじゃない。

何でそんな事聞くの？

ミスコンだって出たくないって言ってたのを無理矢理先生が出させたんでしょ？

そう言えば良いのに。

何故か私の口は動かなかった。

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