先生とシンデレラ
暫くすると。

キーンコーン…

昼休みの終わりを告げるチャイムが私達のおも苦しい空気の中に鳴り響く。

先生は溜め息を一つ落として席を立った。

「…とにかく。この件は羅々から先生が直接、嫌、って言うのを聞かないと納得出来ないから。…羅々は、放課後残る事。良いね。」

…っ。

すると華ちゃんが間髪入れずに先生に話しかける。

「わ、私は…」

「…華は良いよ。二人で話がしたい。」

"二人"

「とりあえず、教室に戻りなさい。授業が始まる。確か、次は移動教室だったはずでしょ。」

先生がそう言うと華ちゃんは、そうだった、と言う風に私の手を握ってドアを開ける。

去り際に先生の方をチラッと見ると。

「…!」

先生は今まで見たことも無い様な苦しそうな顔で私を見ていた。



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