先生とシンデレラ
教室に入ろうとすると。

優希の、
「今も、加藤だけが好きなのか?」
と言う声が聞こえた。

それに続いて、羅々が
「…うん」
と言った。



今直ぐに。

その言葉をもう一度聞いて。

本当かどうかを確かめて。

君を。

抱きしめたいのに。

動く事が出来ない。

しばらくして反対側のドアから教室から出て行った優希は、俺に気づいていない様だった。

教室の中で一人佇む羅々を見てから。

教室とは反対側に歩き出した。
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