先生とシンデレラ
“先生なんて、大っ嫌い…っ”

その言葉を残して羅々は出て行ってしまった。

予想だにしなかった言葉に、思考が止まる。

…その反対のくせに。

そう思いながらも、少しショックで。

そう言った時の羅々の涙目の顔が、頭の中をグルグル回る。

少し涙目で
頬が赤くなって。

きっと、俺が図星を言ったから気付かれたくない一心でオーバーヒートした。

今頃、
“何で、私あんな事…”とか
“先生、嫌な気持ちになったかな”とか
“先生に嫌われたらどうしよう”とか
ありもしない事考えてるに決まってる。

…うん。

きっとそうだ。

そこまで考えて、顎に片手を添えながら羅々のさっきの顔を頭の中でもう一度思い出すと。

…あれ、アリだったな。

あんな涙声で、先生大嫌い、とか。

うん。

間違いなく、アリ。

昔友達に、お前マジで隠れムッツリだよな、そう言われた事を思い出した。

そんな顔しやがって、とも。

あながち、間違ってはいないと思う。

そう思って口元を緩めると。

「…先生、羅々に“先生大っ嫌い…!”とか言われて何興奮してるんですか?…気持ち悪」

声がした、後ろを振り返るとそこに立っていたのは。

「…うるさいよ、華。」
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