先生とシンデレラ
先生は下駄箱まで私を引っ張った後、私の手を離してくるっと私の方を振り返った。

「…あの、先生?」

私の声なんて聞いていないかの様に先生は自分のスーツのポケットを探る。

そしてそこから車のキーらしきものを取り出して、私の右手をとってキーを私の手のひらに乗せた。

「え、これ「先生の車、覚えてるでしょ。」

「…あの「覚えてる、よね。」

…私の話なんて聞いてない。

「は、い…」

私の返事を聞いた先生は、その辺事に満足した様な顔をした後
「先生も帰りの用意しなきゃいけないから、先に車に乗っていなさい。」
と言った。

それだけを言うと先生は私に背を向けて職員室に向かって歩いて行ったかと思うと。

しばらくした所で立ち止まって、こちらを振り返って
「返事は。」
と言った。

私は苦い気持ちを押し殺しながら、はい、と言った。
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