先生とシンデレラ
先生と廊下を歩く。

「朝から、潤すごくうるさかったよ。」

その言葉に私が笑うと。

「“お前の長谷川には負けない!うちの奥田の方がすごい!”って。“根拠は。”って聞いたら、“ニュアンス!”って。本当に国語の先生か疑いたくなったよ。」

私がその言葉に笑いながら
「さすが、岡田先生ですね。」

「…“羅々を甘く見ないでよ、うちの羅々はすごいよ。”って言っといたから、先生の面子、潰さないでね。」

その言葉に。

ばっと横を歩いている先生の顔を振り返って。

「…っむ、無茶苦茶ですよ…」

「うるさいな、別に今始まった事じゃないでしょ。」

「そ、そうですけど…」

「ちょっと、否定しなよ。」

「わ、私はどうしたら良いんですか!」

そう言いながら、たどり着いた毎回使っている控え室を開けて二人で中に入ろうとすると。

「…っえっ」

「…」

私達を驚かせたその人は私がいつも座る椅子に座りながら。

「はーい、久しぶりね、羅々!」

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