先生とシンデレラ
福原祐君、三浦君、芽維ちゃん、私の順番にスポットライトが当たる舞台の上へと移動して。

私達が全校生徒がいる前でそれぞれの立ち位置に並ぶと。

いつもの司会者が大きな声で。

「いよいよ、始まります!第一学年、ミスコン、ミスプリ、最終審査!今日、全てが決まります!」

その声に合わせて、全校生徒が息を飲む。

「もう一度、最終審査参加者とかせられた劇について振り返りましょう。まずは三組、福原祐。千一夜物語〈アラビアン・ナイト〉!」

今度は舞台の明かりが一斉に消えて、福原君にだけ明かりがパッと当たる。

生徒達がパチパチと拍手をしてどこからともなく声援が聞こえる。

そして暗転。

「続いて四組、三浦優希。源氏物語!」

こちらもさっきと負けんばかりの黄色い声援。

その声にピクリとも動かず、三浦君は真顔で立っている。

「ミスコン部門、二組奥田芽維。白雪姫!」

ちらっとスポットライトが当たる芽維ちゃんを見ると。

芽維ちゃんは堂々とした顔でステージに立っていて。

…泣いていた、芽維ちゃんとは別人みたい。

そんな事を思いながら。

「続いて、四組長谷川羅々。」

スポットライトが私に当たる。

全校生徒が私を見てる。

「シンデレラ!」

私はこの舞台で。

魔法にかけられる。

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