蒼穹の誘惑
「た、高宮君?」

「下、どこに破片が飛んでいるかわからないので、そこにいてください」

こんな子供にするように扱われ、みずきは戸惑う。

すると高宮は、達也が寝ているというのに掃除機をかけだした。

ものの数分で全てが片付けられ、みずきは、ダイニングテーブルから下りることを許された。

「ほら、あなたが何もしない方が早く終わるでしょう?」

高宮はまた意地悪く笑い、みずきの手を取る。

「キレイな手に傷がつきましたね?」

「大したことないわよ……」

大丈夫と見上げれば、何故か優しく笑う高宮がいた。

普段は見せないその笑顔に胸がトクンと鳴り、みずきは言葉に詰まる。

二人の間に沈黙が流れ、その気まずさに耐え切れずみずきが口を開いた。


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