蒼穹の誘惑
高宮の目的は一体何なのだろうか。


----自分と寝て何の得があるのか。


勿論みずきは自分を卑下するつもりはない。これだけの女を抱けるのだから、男としては十分得しているに違いないとも思う。だが、高宮なら性欲処理の女など造作なく見繕えるだろう。

かと言って、社長命令に背くことができない、というような殊勝な心の持ち主でもなく、この仕事にそれ程執着しているようにも思えない。


『先代に、あなたのお父上に恩がありますから……』


高宮のふと零した言葉を思い出す。

ただそれだけの理由?

父にどんな恩があるというのだろうか。

あの夜は深く追求することができなかった。

高宮が一秘書に留まっている理由は、やはりそこに行き着く。

自問自答していても、答えは見つからない。

どんな答えが欲しくて自分は高宮のことを知りたいと思うのだろうか……



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