蒼穹の誘惑
「で、どうなの?この会議であの古狸たちを説得できそうかしら?」

「どうでしょう?あなたがおっしゃる通り徹底して反対してくるでしょう。まず、あなたには何もせずその椅子に座ってさえいてくれればいいと思っていらっしゃいますから」

「そういうわけにはいかないわ。別にこの会社がどうなっても構わないんだけど、するからには面白いことしたいじゃない?」

「あなたのそういうところが反感を買うのです」

高宮は眉間に皺を寄せてみずきを咎める。

「あら、やだ。涙流して父の為にお願いますって頭でも下げろって?イヤよ。父の遺志なんてどうでもいいもの」

「会議中に口が裂けてもそんなことを言わないで下さい。中にはまだ先代の亡霊を引きずっている方もいますから」

「バカみたい、死んだ人間のことをいつまでも。時代は変わるのよ。乗り遅れる前に何とかしなきゃ」

「それにもやり方というものがあります」

「あなたはどっちの味方なのよっ!?」

「私はいつも会社の利益になることを優先して考えています」

みずきが声を荒げても高宮は至って冷静だ。

「会社ねぇ……」

一瞬の沈黙が流れたが、コンコンとドアが鳴り、執務室付の秘書が入ってきた。




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