蒼穹の誘惑
「それなら、俺の子分にしてやってもいいぞ?」

動揺するみずきに、そんなことをボソッと呟く。

「はぁ?」

みずきの間抜けな返事に達也の表情に呆れた色が出る。

そんな顔も高宮にそっくりだ、とついみずきは見つめてしまった。

「クス、お断りよ!私があなたの叔父さんのご主人様なのよ?十年早いわ。あなたがそんな態度取っていると、叔父さんが困るのよ?」

「なっ……蒼冴本当にみずきはご主人様なのか?」

大人びた表情をしていたかと思うと、急に不安そうな顔で高宮を見つめた。

高宮の表情は呆れ返っている。

「えっ?ごめん、ごめん!冗談よ、冗談」

みずきは達也の形の良い後頭部を撫で下から覗きこむ。

マセたことを言ってもやはり子供だ、目がうるうるしている。

「仕方ないわねぇ。子分っていうのは私のプライドが許さないから、友達くらいにはなってあげる」



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