蒼穹の誘惑
副社長と専務に続いて残りの重役3名も集まり、社長室の重いドアが閉められた。

「皆さんお揃いのようだし、始めましょうか?」

自分より一回りも二回りも年上の重役たちの上座に当たり前のように座り、みずきは上から見下ろすように不敵な笑みを浮かべた。

姪のそんな不遜な態度を咎めることもできず、副社長が苛立った様子で口を開いた。

「単刀直入に言いいますが、私は社長が進めているこのアプリケーションソフトの開発には反対です。我が社はそこまで手を広める必要などない」

反論する暇など与えない、と言わんばかりに、堰を切ったように話し始めた。

周りの重役連中も同じ意志らしく、一様に顎を引いて頷いている様子があまりにも可笑しく、みずきはつい吹き出しそうになった。

脚を組み直し、「それで?」とでも言わんばかりのみずきの態度に、副社長の熱弁はヒートアップする。

それにげんなりとして溜め息をつけば、高宮と視線があった。目がいい加減にしろ、と怒っている。

みずきのこの態度が気に食わないらしい。



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