蒼穹の誘惑


早く、こんな風に抱かれたい----


高宮の背に腕を廻し身体を預けたとき、バスルームから能天気な子供の声が聞こえてきた。

「蒼冴~バスタオル~」

その声に、ハッとお互いから離れる。


(私は今一体何を……)


みずきがこんな風に高宮を求めたのは初めてだった。

高宮を見遣れば、みずき同様何が起こったのかわからない、という顔をしている。

「----悪戯がすぎましたね」

高宮はばつの悪そうな顔でそう言い残し、みずきから離れた。

離れた体温に少し寂しさを感じながらも、みずきは火照った身体と暴れる心臓を懸命に抑えた。



< 96 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop