蒼穹の誘惑
早く、こんな風に抱かれたい----
高宮の背に腕を廻し身体を預けたとき、バスルームから能天気な子供の声が聞こえてきた。
「蒼冴~バスタオル~」
その声に、ハッとお互いから離れる。
(私は今一体何を……)
みずきがこんな風に高宮を求めたのは初めてだった。
高宮を見遣れば、みずき同様何が起こったのかわからない、という顔をしている。
「----悪戯がすぎましたね」
高宮はばつの悪そうな顔でそう言い残し、みずきから離れた。
離れた体温に少し寂しさを感じながらも、みずきは火照った身体と暴れる心臓を懸命に抑えた。