幼き神は涙さえ演じて

 ここで普通ならば同情するだろう。

 キースの見た目からしてまだ未成年。

 年端もいかない青年を放り出すなど外道もいいとこ。

 「さっさとつまみ出せ」

 だが、残念ながら少年は外道だった。

 見ず知らずの出会って数秒の青年がどうなろうが気にもしない。

 「キースさん。出口まで案内します」

 店員のウサ耳が揺れた。

 
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