誰を信じる?(ショートショート)
「朝? ふぅーん……。いつからなの?」
「もう長いです。えっと、6年くらいかな」
「えっ、俺より長いわ! 全然知らなかった」
「そうですか……」
「ふぅーん……。あぁ、良かった。アイツ、なんか人妻に惚れてんじゃないかと思って俺心配してたんだよな……(笑)、言っちゃ悪いけど(笑)」
「あぁ、伸ちゃん、好きな人いるんですね……」
「えっ!? いやいや、むしろその逆でね! いやー、人妻なんか好きになったって……ねぇ?(笑)。だから……」
「私、伸ちゃんの昔の彼女とか、そういう人も見たことないんですよね……」
「いや、そんなの見ない方がいいよ! そんなの見たってね、結局はケンカの始まりなんだよ。写真とか残しておくやつがいるみたいだけど、俺は理解できないなぁ」
「……伸ちゃんなら全部捨てそう」
「あぁ、あいつなら、捨てるだろうなぁ」
「筒井さんは、伸ちゃんの彼女とか、女友達とか見たことないんですか?」
「いや……、ないと思う。お客さんはいっぱいいるけどね。ほら、全然違うじゃん。お客と友達って。態度がさ、全然」
「そうなんですか……」
「そうそう。でもそれ……、その指輪」
筒井は、綾乃の左手の薬指を見て訊ねた。
「それ。えっと……、あの、名前……」
「ティファニー?」
「いや違う(笑)。君の名前(笑)」
「あっ、桜木です」
「ごめんね、あぁ桜木さんね。あの、桜木さんが選んだの?」
「あぁ、これはそうです。いつも自分で選びますから(笑)」
「ふぅーん。あいつ、そういうとこ、こだわりそうなのにねぇ(笑)」
「……。えっ?」
「えっ? 何??」
筒井は冴子の目をじっと見た。
「あの……。えっと……何の話でしたっけ??」
「だからその、指輪。伸が? 選んだんじゃないの?」
「? どうして?」
「どうしてって……」
「もう長いです。えっと、6年くらいかな」
「えっ、俺より長いわ! 全然知らなかった」
「そうですか……」
「ふぅーん……。あぁ、良かった。アイツ、なんか人妻に惚れてんじゃないかと思って俺心配してたんだよな……(笑)、言っちゃ悪いけど(笑)」
「あぁ、伸ちゃん、好きな人いるんですね……」
「えっ!? いやいや、むしろその逆でね! いやー、人妻なんか好きになったって……ねぇ?(笑)。だから……」
「私、伸ちゃんの昔の彼女とか、そういう人も見たことないんですよね……」
「いや、そんなの見ない方がいいよ! そんなの見たってね、結局はケンカの始まりなんだよ。写真とか残しておくやつがいるみたいだけど、俺は理解できないなぁ」
「……伸ちゃんなら全部捨てそう」
「あぁ、あいつなら、捨てるだろうなぁ」
「筒井さんは、伸ちゃんの彼女とか、女友達とか見たことないんですか?」
「いや……、ないと思う。お客さんはいっぱいいるけどね。ほら、全然違うじゃん。お客と友達って。態度がさ、全然」
「そうなんですか……」
「そうそう。でもそれ……、その指輪」
筒井は、綾乃の左手の薬指を見て訊ねた。
「それ。えっと……、あの、名前……」
「ティファニー?」
「いや違う(笑)。君の名前(笑)」
「あっ、桜木です」
「ごめんね、あぁ桜木さんね。あの、桜木さんが選んだの?」
「あぁ、これはそうです。いつも自分で選びますから(笑)」
「ふぅーん。あいつ、そういうとこ、こだわりそうなのにねぇ(笑)」
「……。えっ?」
「えっ? 何??」
筒井は冴子の目をじっと見た。
「あの……。えっと……何の話でしたっけ??」
「だからその、指輪。伸が? 選んだんじゃないの?」
「? どうして?」
「どうしてって……」