片翼の天使
満腹になるまで食べて飲んで。
ナンパ男とふたりであてもなく街を歩いた。

「で?この後どうすんの?カラオケでも行くか」
「ん~…あたし眠くなっちゃった」

目元をわざとらしく擦りながら甘えた声を出す。
案の定ナンパ男はしょうがねぇな、とでも言いたそうにホテル街に足を向けた。

「お嬢様ルックしてる割に積極的じゃん」
「女は見た目で選ぶと痛い目に遭うわよ」
「怖い怖い」

軽口を叩きながらホテルに入る。
意外とランクのいいホテルで安心した。
ここならぐっすり寝れるし朝食のサービスもあるだろう。

手慣れた様子で部屋を選び鍵を取る。
あたしは甘えるように男の腕に絡みついた。
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