蜜色チェーン―キミと一緒に―


思わず出ていきそうになったけど……。
同じ会社の人の前で拓海くんをかばうのはマズイと思って、なんとか気持ちを抑えた。

拓海くんは私と噂になるのが嫌がっているから。


でも、なんのトラブルだろう……。

外にいるから何を言ってるのかは分からないけど、ピリピリした緊張感はここまで伝わってくるみただった。

胸ぐらを掴まれている拓海くんが、笑いながら男の人を見る。

私と一緒にいる時には見せないような顔だった。


とても冷たい表情にびっくりする。
でも……アレが拓海くんの言ってた凶暴な部分だ。


拓海くんが見せる顔に、拓海くんにとってお母さんの事は過去になんかならないんだって気づかされる。

本当は優しいのに……。
そんな拓海くんがあんな顔するなんて……。



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