蜜色チェーン―キミと一緒に―
わずかに芽生えている、お父さんへの期待。
それは、例え自分から捨てるにしても、傷つく事には変わらない。
自分から捨てたって、痛いから。
それを覚悟の上で自分から動いている拓海くんを思うと、心臓をギュって掴まれたみたいに苦しくなった。
ずっと誰も信じないって言ってる拓海くん。
けど、そうしていたら、拓海くんはずっと寂しいままで……多分拓海くんもそれに気づいてる。
気づきながら、迷いながら、苦しんでる。
苦しみながらも、痛いのを分かってて自分からぶつかって行こうとしてるんだ。
少しでも、痛みが少ないうちに。
そんな拓海くんを、私の安易な言葉で余計に惑わしたくないし、苦しめたくないから。
だからせめて行動でって思ったけど……やっぱりうざがられちゃったのかな。
そんな風に思ってため息をつきながら、数日前の会話を思い出す。