蜜色チェーン―キミと一緒に―
すっかり暗くなった空を見上げながら、ため息をつく。
ケータイの時計は19時34分。
いつもなら、拓海くんの現れてもいい時間だけど、通行人の中に拓海くんは見つけられなかった。
私がこうして毎日待っていれば、宮坂さんへの嫌がらせはできないって思ったけど、甘かったな。
拓海くんが、待っている私をそのままにするって事を考えなかった私は、拓海くんの優しさに甘えきってる証拠だ。
それほどに優しい拓海くんが……一体どんな思いで宮坂さんを追い詰めてるんだろう。
多少の妬みはあるかもしれないけど、それを理由に嫌がらせできる人じゃない。
彼女に手を出そうとしたって言ってたけど、それだってよほどの覚悟の上だ。
優しさを隠して、悪ぶって。
ひとりで傷を抱えてる。
どうにかして拓海くんを救える方法がないの……?
そんな風に考えて、地面を見つめていた時。
「由香」って声をかけられた。