蜜色チェーン―キミと一緒に―


弱々しい微笑みを浮かべながら言う拓海くん。

じっと見ていると、拓海くんが私に微笑んだ後、体勢を変えた。
ソファーに座っている私の膝に頭を乗せて横になる。

サラサラした、少し茶色い髪を撫でながら、気になっていたことを口にした。


「なんで、手をあげたの? お母さんと重なったから……?」
「……そう。
女が、必死な顔してあいつをかばったから。
俺を殴って、泣きながら再婚相手をかばった母親を思い出して……見てられなくなった」
「……そう」
「途中から、目の前の女が何言ってるのかも分からなくなった」


「やばいな、俺」って小さく笑った拓海くんが続ける。


「完全に……母親とダブってた。
けど、宮坂に泣きつくように仕向けたのは俺だし、そうなって当たり前なのにな。
……なにしてんだろ。俺」



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