蜜色チェーン―キミと一緒に―
“私全部、とっくに拓海くんのモノなんだよ”
そう答えたかったけど。
“だから、拓海くんも私のモノになって”
そう伝えたくなったけど。
ぐっと言葉をのんだ。
私から拓海くんを望んだらきっと。
拓海くんは私の前から姿を消しちゃう気がしたから―――。
特定の人を作らないって言ってる拓海くんに特別な関係を迫るのは、拓海くんを追い詰めるだけ。
だったら、あいまいな関係でもずっと繋がっていたい。
―――けど、本当にそれでいいの?
拓海くんを好きになってからずっと心の隅にある疑問が、私に問い掛ける。
「あっ……拓海、く……っ」
「由香……っ」
覆いかぶさるようにして抱き締められて、その身体を抱き締め返した。