蜜色チェーン―キミと一緒に―


「あ、やぁ…っ、たくみ、く……も、お願…っ」


指先や唇から与えられる快感に耐えながら、呼吸を乱して拓海くんの髪に触れる。
顔を上げた拓海くんは、優しく微笑んでから、私の膝裏を押さえて覆いかぶさるように体重をかけた。


「あ……っ」


一気に駆け抜けた快感が、身体中に倦怠感を残す。
浅い呼吸を繰り返す私に優しくキスをした後、拓海くんがツラそうに微笑んだ。


「ほんと、可愛い。
―――全部、俺のモノにできたらいいのに」
「え……? んっ…!」


聞き返そうと思ったけど、それは拓海くんの熱に封じ込まれる。
かすむ視界の中でなんとか見上げていると、おでこに汗を滲ませた拓海くんが微笑んでくれた。


全部俺のモノに……なんて。
そんなの、ずっと前から拓海くんのモノなのに。




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