蜜色チェーン―キミと一緒に―


『さっき社に戻ってくるなり、ロビーにいた斉木が大声で笹川専務が女子社員に迫ってるって言ってきて。
とりあえず、事実関係が分からなかったから俺が確認するからって黙ってもらったんだ。
まぁ、由香が関係してなかったら見て見ぬふりしてたけどね』
『……愛美は?』
『すぐくると思うよ。
今日、取引先でチョコのお土産もらったんだけど、俺の代わりに5階の給湯室に運んでもらってるから。
別に一緒に様子を見てても構わなかったけど、随分“由香が飛び出して行っちゃった!”って、興奮してたし』
『……ごめんなさい』


別に悪い事をしたとは思わないけど、拓海くんにまで迷惑かけちゃった事を謝る。
あと、愛美にも。

なんだか、興奮して騒いでる愛美の姿が頭に浮かぶようだった。



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