蜜色チェーン―キミと一緒に―
『大丈夫ですよ。気にしないでください。
上にもきちんと報告しておきますから』
『でも……』
心配する三村さんをなだめてなんとか帰してから、私が部屋を出ると……、なぜか拓海くんの姿があった。
壁に背中を預けて腕を組んだ拓海くんが、私を見ていて。
ドキっとして立ち止まると、ツカツカ歩いてきた拓海くんが私の目の前で止まる。
『随分無茶したみたいだな』
『なんでここに……?』
『斉木さんから聞いた』
『え、愛美に?』
言われてみれば、愛美の姿がなかった。
さっきまで一緒にいたハズなのに。