蜜色チェーン―キミと一緒に―


「あれ? なんだ、なんでもなかったのか」


拍子抜けしながら、愛美が持っていたカラーボールをしまう。
私も、ずっと触っていた通報ボタンから指を離してホっと息をついた。


「緊張したー……。よかったね、何もなくて」
「うん。制服マニアかと思ってびっくりしたー」
「……制服マニア? 強盗じゃなくて?」


疑問に思って聞くと、愛美がびしっと人差し指を立てる。


「甘い! こういう、普通のOLの制服って結構マニア受けするんだから!
キャビンアテンダントとかバスガイドみたいに可愛い制服じゃないけど、こういう地味な普通な制服が好きなオタクもいるんだよ。
しかも、一応受付嬢だしね。
由香は童顔だし、ロリ萌え要素も入ってるし危ないよ」
「……その情報、本当なの? っていうか、どこ情報?」
「この間、テレビで言ってたの。
なんか、盗撮で捕まった犯人から没収したカメラに、OLの制服姿ばっかり残ってたとかで。
変態ばっかで困るよね」



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