蜜色チェーン―キミと一緒に―
「――由香に、俺を刻ませて」
「拓海く……」
直後、拓海くんで私の中がいっぱいになる。
「由香……っ」
「ふ、ぁ……あっ、拓海、くん…っ」
「由香―――」
『由香―――』
その日、拓海くんは何度も何度も私の名前を呼んだ。
切ない声が私全部に響いて、涙がとめどなく溢れて……。
「由香……」
拓海くんの何度目かの熱を感じた後、私を覆いかぶさるようにして拓海くんが抱き締めた。
私の手を上から包み込んでくれる拓海くんの大きな手。
何よりも大切な、拓海くんの手。
それを見つめた後、涙で滲む瞳を静かに閉じた。