蜜色チェーン―キミと一緒に―


「いきなり言われて訳分かんなかったけど、頼むって言われて……なんか、断れる雰囲気じゃなくて。
なんなんだよ、いきなり……。
もしかして……俺がこの間責めたから?」


勇樹の服を掴んでいた手から力が抜けて、そのまま床の上に落ちる。
何も考えられなくて黙っていると、勇樹が私の肩をゆすった。


「なぁ、どうなってんの?
姉ちゃんは、沖田さんが好きなんだろ?
沖田さんも、姉ちゃんが好きなんじゃねーの?」


何かを考える事も、何かを言う事も、何もできなかった。

ただ、ひどく悲しくて切なくて……。


「幸せになって欲しいなんて、男は大事な女にしか思わない。
電話の声を聞いて、沖田さんも姉ちゃんが好きなんだって感じたのに……。
なんで両思いなのに、こんな事になってんだよ」



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