蜜色チェーン―キミと一緒に―


安心して、身体から力が抜けてく。
考えてみれば、この3日間、ろくに食事も睡眠もとっていない。
そんな疲れが一気に襲いかかってきたみたいに、身体を倦怠感が襲う。

じょじょに視界が霞んでいって……意識が薄れていく。
私を呼ぶ社長の声が聞こえた気がしたけど、それに答える事はできなかった。


拓海くんに会いたい……。
拓海くんが私に会う事を望んでいるかは分からないけど……。

こんな行動を勝手にとったって知ったら、私を怒るかもしれないけど。


私は……会いたいよ。
会いたい。

だから―――。


拓海くん。
私はもう逃げないから。

拓海くんも、逃げないで。
逃げないで。






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