蜜色チェーン―キミと一緒に―


確かに、芸能人とかに興味がないから、周りと一緒にキャーキャー騒いだ事もない。
愛美が持ってくる合コン話も毎回断ってるし、その度にされる「彼氏いないんでしょ?」って質問にも曖昧に笑うだけだった。
元彼とかそういう話題になっても、誤魔化し続けてきたし……。

だから、“恋ってナンデスカ?”っていうイメージを持っていても、無理はないのかもしれないけど。

でも、だからっていくらなんでもキスの次のステップまで知らないとまで思い込まれていたなんて。
私に対してあまりに綺麗な、というか、幼いイメージを持っている愛美に苦笑いした。


「小学生でも中学生でもないよ。もうちゃんとした大人なんだから。
誕生日で言ったら愛美よりも私の方が年上だし」
「この場合、実年齢は関係ないから。中身の問題でしょ」
「中身も。ちゃんと大人だか……」
「ちょっと由香!!」


“ら”。
あと一文字を残してた私の言葉を遮った愛美が、すごい勢いで私の両肩を掴む。
ただ驚いていると、眉をしかめた愛美が、怖い顔して聞く。



< 3 / 285 >

この作品をシェア

pagetop