蜜色チェーン―キミと一緒に―


「……田中係長、酔ってるんですか?」
「え~、そこまで酔ってないよ。
まだまだ“三枚目”だし」
「……それはつまり、三杯目と三枚目をかけたおやじギャグ……」
「そのとおり! 野原ちゃん案外ギャグいける口だね~!」


……酔ってる。
さっきは愛美に解説されてあんなに凹んでたのに、こんなノリノリに答えるなんて酔ってる証拠だ。

私がトイレに言ってる間にどれだけ飲んだら酔えるのか分からないけど。
さっきは酔ってなかった田中係長が、いつの間にか酔っぱらっておかしくなってる。


「あの、田中係長、戻りましょう?」
「だから、戻らないって~。じゃあ野原ちゃんがチューしてくれたら戻る」
「さっきと条件が変わって……か、係長っ! 離れてくださいっ」


本当に「んー」なんて言いながら近づいてきた田中係長の胸を、力いっぱい押し返す。

悪酔いしすぎてる!



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