蜜色チェーン―キミと一緒に―


拓海くんが抱えているトラウマ。
私が感じてきた思い。

自分の中で整理するように話している間、愛美は頷きながら真剣に私を見ていてくれて、それに安心を覚えた。

そして、私が黙ったのを見て、愛美が「大体は分かった」って大きく頷いた。


「つまり、沖田さんは浮気されるとかそういう事で裏切られるのがイヤだから、ひとりに絞らないけど、由香には情もあるから一緒にいるわけね」
「……そう」
「由香は沖田さんが好きで、沖田さんも由香の態度からそれに気づいてるだろうけど、由香の気持ちには触れてこない、と。
触れてこないのは、由香の気持ちを信じてないからって事ね」
「うん」


私の無駄に長い話の要点だけをまとめた愛美が「んー」って唸る。
それから、顔をしかめて私を見た。



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