蜜色チェーン―キミと一緒に―
しまった。
家に連絡するのをまたしてもすっかり忘れてた。
電話ではたまに連絡とっているけど、ちゃんと定期的に顔も出しとかないと、家に連れ戻されちゃいそうだし。
別に、会社までは家からでも通えるけど……。
拓海くんの部屋に入り浸ってる現状を知られたら、ちょっと厄介だ。
拓海くんの事を家族はみんな知ってるけど、それは私の家庭教師として知ってるだけだから。
今も関係があるなんて、家族は想像もしていないハズだ。
家庭教師が終わった後も短大の時も、友達ととかって嘘をついて拓海くんとは会っていたけど、帰りが遅いと心配されるから、会えてもせいぜい週に一度が限界だった。
だから、家庭教師が終わってからの五年間、ずっと怖かった。
拓海くんが私から離れていっちゃうんじゃないかって、怖かった。